iStockバナー

自分は一体どれくらいの速度で、モノを量産できるのか?その手の課題は昔からずっと存在していて、常に懸念事項として君臨し続けることでしょう。

決して”極めた”なんて言わないけど、バナーづくりには提供素材とコンセプトのシンプルさが決め手と考えます。提供素材のクオリティでいえば、iStockさんなんて大店素材サイトの提供してくれる素材はピカイチですし、複数サイズで複数の採用がある大きなコンペでした。それなりに仕事ができるようになった時期であり、スピードとかフローを意識し始めたタイミングでのバナーコンペでしたので、とにかく数を!が課題だなと考えました。

ターゲットは”同業者”。何を訴えるか?は、ちょっとわからないwなぜなら、ボクみたいな人だと想定すると「ただ何となく素材はこういうのあって、ザックリと何がどこにあるか?を何となく脳裏に覚えさせる」のが素材ストックサイトの見方と考えてるから。ならば、バリエーションは加工のパターン、つまり”レシピの幅”を見せようと考えました。量産体制の向上と化したわけです。提供素材のクオリティには何の問題もないので、言い訳はできないけど、それを加工するのはこっちの責任、といった具合。切り抜き方、編集加工の腕の見せ所、といった感じですね。あくまで完成作品のみの掲載ですが、もはや残してないオリジナルのファイルで”こいつのレイアー構成と、調整レイアーの中身どうなってんだろ?”もしそれが想像つくのでしたら、あなたは同業者さんですね。今後ともよろしくお願いしますw

青を基調としたやや正方形のレイアウトパターン。パネルレイアウトは当時からのお気に入り。数年後、ネットがそればっかりであふれることになるなんて、想像はしてなかったけどね。
ものすごく時間をかけたのは富士山のセピアトーンの色調パターン。もちろん、もともとはフルカラーの写真だったけど、そもそも富士山ってモノクロ寄りの色調なのでいっそのこと白黒にした方が映えるな、と。そうだそうだ、昔の白黒映画には”富士山や白波”といったモノが多用されてる理由は、このあたりから気づいたんだっけ?

ほぼ正方形の別パターン。今度はカエル。カエルは大好き。特に南米にはコバルト、イチゴといったカラフルなヤドクガエルが沢山いて美しい。みんな毒カエルなところもスパイシーなアクセントですね。
今回の元となった画像はお分かりの通り、右下のアマガエル(緑)。まず緑色の肌をいろんな色に変えていきたいので、しっかりと本体と分離。注意しないといけないのは肌とお腹は個別に切り抜いて色調を調整しないと、古いおもちゃ感が出てきてしまうという事。単純にベージュ気味のおなかを保護するだけじゃなく、肌の色に合わせてやや青み/赤み/黄みといった具合に”リアルにいそう”に調整。手間かかってんなw

横長の巨大バナー。ボク感覚では、横幅700px.を超えてくると相当でかいな?というのと、一気にバランスとるのが難しくなる気がします。どうしても加工の手数も増えますからね。
上段2つは、当時なぜか遅れてチラ見してた米ドラマ「セックスアンドザシティ」なイメージ。具体的にどこか?はわかんないけど、なんかこういう広告とかありそう、みたいな自分もよくわからない表現しかできないスタイル。細かいとこをいえば、iStockのロゴの斜めになってる部分にうまく合わせて”逆くの字型”を描いて、右へ流すラインを作ってるのがポイント。ただアクセントカラーのピンクの帯が”右下がり”になってるのが今のボクならやらないかも?というポイントかな。右下がりっていやじゃないですか?
下段3つは、”竹”をイメージ。とにかくメタリックに輝く竹をデジタルに描いたら?というのがポイント。使ってる素材自体はすべてキャリーオーバーなんだけど、加工は無茶苦茶変えてるかな?加工次第で同じ画像で何パターン作れるか?は今でも変わらずこだわってるポイントです。あと、困ったらドット系加工を背景に置きたがるのも変わらない癖。ロゴにはカーボンを転写してグロスを加えて立体感を演出。大好きな”カーボンパターン”は相当の数をストックしてます。だってカーボンって聞くだけで、テンション上がるじゃないですか?え?ボクだけ?

縦長600px.級バナー。縦がいいか横かいいか?で聞かれると、横長の方がレイアウト取りやすいので、横長ならどれでもいい、と即答してしまいますね。ケースバイケースなので一概に縦は悪とも断言しませんけどボク個人は縦長をデザインするのはちょっと難しいかな?と思っています。
このバナーはどちらかといえば、素材を生かさない方向でデザインしてあります。素材には写真素材なんかの他に、テキスト/タイトルなんかも優秀な素材として機能しますので、せっかくいいタイトルとキャッチコピーを考えておられたので、そっちを活かし”クリエイティブ要素”に全フリしたバナーを製作してみました。背景はインク画像なんてなく、コップに注がれる水面写真を切り取ってグラデーションマップをかけて調整レイヤーをかけたんだっけ。左から、水/黄色インク/溶岩をイメージして、あとはスピード感を演出。やっぱりここでも、カーボンパターンを乱用。ただしここでは平織りのカーボンファイバーを使用したんだけど、綾織/平織の区別なんか誰も気づかないよねw

もう一個縦長。サイズは同じだけど、横長の「セックスアンド〜」で使ったパーツと、水面素材の再利用。今回はキッチリタイトル素材なんかはやや右上がり(2度上げ)で配置できてるので、正直今作れ!と素材渡されると、色味とかを指定したのちにこのバナーみたいなのをささっと作ってしまう可能性は高いです。はい、自分の中での”今風”デザインといえますね。特に水中に水玉ドットを入れちゃうあたりもやってしまいそうです。
余談なんだけど、この写真の並べ方はMacのドック風の並べ方を意識してました。もちろん当時、うちにMacは居ませんでしたwなんでそんな事を思いついたのか?いまだに分かりません。

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